山﨑 優介|みんなのかかりつけ訪問看護ステーション

大切にしてきた実践・管理・教育・研究をすべて生かせる、と感じ転職を決めました

安佐南店 管理者

山﨑 優介

DATA
            1982年生まれ/大学院卒/糖尿病看護特定認定看護師/前職:市民病院/訪看経験あり/広島県出身/2025年4月入職/2025年5月より安佐南店管理者

医療職になったきっかけと経歴を教えてください

私は幼い頃から医療職を目指していたわけではありません。病院ともあまり縁がなく、看護師という仕事について深く知ることなく育ちました。もともと子どもが大好きで、高校生の頃は保育士になりたいと考えていました。ただ、進路を決める時期になった際、周囲の方から「小児科の看護師という道もあるのでは」と勧められたことがきっかけで、初めて看護師という仕事を意識するようになりました。
大学卒業後は、小児科の看護師になるという目標を持ち、国立成育医療研究センターに入職しました。しかし、当時は看護師として未熟で、思うようにいかない日々が続きました。その後、循環器専門病院の小児科でも勤務しましたが、壁にぶつかることも多く、看護師という仕事そのものを諦めかけた時期もありました。
そんな中で出会ったのが訪問看護でした。病院を辞めたときにもう看護師はやめようと思いましたが、最後にもう一度看護師をしてみようと思って訪問看護の世界に飛び込みました。そこでご利用者さま一人ひとりの暮らしに寄り添い、その人らしい生活を支える訪問看護の仕事に大きな魅力を感じ、「これが自分の進む道だ」と感じたことを今でも覚えています。
その後、小学4年生から育った地元・広島市に戻る際、訪問看護を続けるか、病院で退院支援に携わるか悩みましたが、病院側からの支援も経験してみたいという気持ちから広島市立北部医療センター安佐市民病院に入職しました。病院で経験を積んだのち、2025年4月にデザインケアへ入職し、同年5月にはみんなのかかりつけ訪問看護ステーション安佐南を開設しました。現在は所長として、地域の皆さまに寄り添う訪問看護の実践に取り組んでいます。

転職前に感じていたキャリアや仕事の「悩み」について教えてください

前職では、日々やりがいを感じながら働いていました。所属病棟の師長や看護部長をはじめ、多くの方に支えていただき、さまざまな経験を積む機会にも恵まれました。就職当初には想像もしていなかったプロジェクトのリーダーを任せていただいたほか、糖尿病看護認定看護師資格の取得や特定行為研修の修了、さらに大学院博士課程前期の修了など、自分自身を成長させる機会も多くいただきました。現在は博士課程後期にも進学しています。
その一方で、院内外で活動の幅が広がるにつれ、「もっと多くの人の役に立てる働き方があるのではないか」と考えるようになりました。目の前の患者さまへの支援はもちろん大切ですが、それに加えて、看護の未来づくりに貢献したい、若い世代の看護師を応援したいという思いが強くなっていきました。
これまでの経験を生かしながら、より広い視点で地域や社会に貢献できる場所はどこか、自分にできることは何か。それが転職前に抱えていた大きな悩みであり、次のキャリアを考えるきっかけになりました。

転職前の「不安」について教えてください

一番の不安は、自分がこれまで積み重ねてきた努力や実績が、環境を変えることで失われてしまうのではないかということでした。広島市立北部医療センター安佐市民病院は、地域の中核を担う大きな病院です。私がそこでさまざまな経験を積み、挑戦できたのは、恵まれた環境があったからこそだと感じています。だからこそ、病院を離れた瞬間に「自分は何もできなくなってしまうのではないか?」と不安に感じていました。
また、退職を考えた当初は、大学教員という道も視野に入れていました。教育や研究を通して看護の未来に貢献したいという思いがあったからです。しかし、大学へ進む道にも、これまで大切にしてきた現場での実践や、患者さまへ直接関わる看護ができなくなるのではないかという葛藤がありました。
そんな中、デザインケアへのお誘いをいただき、再び現場である訪問看護の道を選ぶべきか、大きく悩みました。一度は「看護の未来のためには実践を離れるべきではないか」と考えていたからこそ、再び実践の道を選ぶことが本当に社会や看護の未来に貢献できる将来につながるのか不安でした。

転職前の悩みや不安をどう乗り越えたのですか?

転職前には、藤野さんとじっくり話をする機会があり、自分が抱えていた悩みや不安を率直に伝えました。これまで大切にしてきた実践、管理、教育、研究などを、新しい環境でも続けられるのか、これが一番の迷いでした。
その際に、「山﨑さんが大切にしてきた実践・管理・教育は、すべてここでも生かせます」と言ってもらえました。デザインケアでは訪問看護の質評価(QI)にも取り組んでおり、研究や政策提言にもつなげていけること、「これまで培ってきた経験や力をぜひ生かしてほしい」と言ってもらえたことが、大きな後押しになりました。その言葉を聞いて、「ここなら自分が大切にしてきた思いや挑戦を尊重してもらえる」と心から感じることができました。
また、自分が看護師としての道を諦めかけたとき、訪問看護との出会いに救われた経験も思い出しました。訪問看護があったからこそ、今の自分があります。だからこそ「今度は自分が訪問看護の世界に恩返しをしたい」、そう思えたことが、最後に一歩を踏み出す力になりました。

一歩を踏み出して、今どうですか?

率直に、一歩を踏み出して本当によかったと感じています。事業所の開設や運営には大変なことも多く、日々試行錯誤の連続です。しかし、その中でもこれまで培ってきた経験を看護実践にしっかり生かすことができており、大きなやりがいを感じています。
何より嬉しいのは、若い世代の看護師と働き、共に学び、共に成長できていることです。自分が教える立場でありながら、私自身も多くの刺激を受け、毎日学ばせてもらっています。そのような環境で仲間と一緒に前に進めることを、とても幸せに感じています。
また、入職後も学会発表や講演、執筆などの活動を継続できており、自分の経験や知見を社会に還元できている実感があります。外部で活動する中で、デザインケアが大切にしている価値観や取り組みを伝えられることも、私にとって大きな喜びです。
現場での実践と社会への発信、その両方に取り組めている今、とても充実した毎日を送っています。

新しいことを始めるとき、怖さや不安を感じるのは当然のことだと思います。先が見えず、今のままでいた方が安心だと感じることもあるかもしれません。ですが、一歩踏み出してみることで、これまで知らなかった世界や新しい可能性が広がっていきます。
その中で大切なのは、「自分が本当に大切にしたいこと」を諦めないことだと思います。何をするか、何ができるかを考えることも大事ですが、私は「誰と一緒にするか」も同じくらい大切だと感じています。信頼できる仲間と進むことで、不安は挑戦する力に変わっていきます。人生は一度きりです。だからこそ、自分の心が動く方へ進んでほしいと思います。
私の好きなMr.Childrenの「終わりなき旅」という曲に、「高ければ高い壁の方が 登った時気持ちいいもんな」という歌詞があります。挑戦や決断には、大変なこともたくさんあります。けれど、その壁を越えた先にしか見えない景色があります。今、私はその景色を仲間と共に見ることができています。ぜひ、新しい一歩を踏み出して、一緒にその景色を見にいきましょう。

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